マウスピース矯正(インビザライン)とワイヤー矯正の違い・総まとめ

こんにちは、神保町タワー歯科・矯正歯科の越智です。

 

2022年6月の歯科用専門誌に私の執筆した論文が掲載されました。

その中で、従来のブラケットを用いたワイヤー矯正と、マウスピース型カスタムメイド矯正装置の違いについてまとめましたので、ご紹介したいと思います

従来のブラケットを用いたワイヤー矯正 マウスピース型カスタムメイド矯正装置
見た目 目立つ ほとんど目立たない
清掃性 悪い 外せるため良い
装置代原価 マウスピースより高い ブラケット矯正より低い
来院回数 基本毎月 2から3か月に1回の来院
装置使用時間 24時間(自分では外せない) 20時間から22時間
模型 石こう模型 デジタル3Dシュミレーション
比較的安い 比較的高い
エッチング ブラケットをつけるほぼすべての歯 アタッチメントをつける部分のみ
チェアタイム 基本的に毎月処置があるため必要 フィットが良ければ、基本5分ほどで終わる。処置がなければ、オンラインでも経過観察が可能
不得意な動き 遠心移動 歯冠の移動距離より歯根の移動距離が多い動き・臼歯近心移動・ローテーション
得意な動き 歯冠の移動距離より歯根の移動距離が多い動き、ローテーション 遠心移動
歯根吸収 マウスピースより高い ブラケット矯正より低い
歯への力の伝わり方 基本的に唇、舌側1or2面から力を加える 歯の全体を包み込むように力を加える
個々の歯の移動 基本的にすべての歯を1本のワイヤーでコンロトールするため個々の歯の移動の自由度は少ない 個々の歯の移動がある程度自由にできる
コンプライアンス プラークコントロールが悪い方には不向き コンプライアンスの悪い人には不向き
咬合の安定 咬合が安定している部位は強固なアンカーとして利用できる 咬合面を覆うため、スプリント効果により咬合の安定がとりにくく、顎位の変化も起きやすい
起こりやすいトラブル カリエス、口内炎 前歯歯髄失活、歯肉退縮、臼歯近心傾斜
治療結果 術者の技量の大きく左右される 計画のシュミレーションが適切であれば、処置する術者の技量に大きく左右されない。

 

 

ワイヤー矯正と、マウスピース型カスタムメイド矯正装置の違い

 

見た目

マウスピース型の方が目立たない。マウスピースだと、矯正終了するまで気付かれない場合もあります。

 

清掃性

マウスピース型の方が歯ブラシがしやすいです。糸ようじも楽々使用可能です。

ワイヤー矯正の場合、食後の洗口は必須です。

 

脱灰のリスク

これは、マウスピースのほうが脱灰(初期虫歯)になりにくいことが証明されております。

清掃性と連動しております。

 

来院回数

ワイヤー矯正は基本毎月来院する必要がありますが、マウスピース矯正は、2~3か月に1回の通院でも可能です。

もちろん、何か異常があれば、すぐにご連絡を頂く必要はあります。

 

装置使用時間

ワイヤーは自分では装置を外せませんので24時間装置が歯に力を加えております。

マウスピース矯正は1日20時間以上使用が望ましいとされておりますが、当院では22時間を目指して使用していただいております。

使用時間が長いほうが動きも綺麗です。

 

模型

従来ねんどのような印象材で、石こう模型を作製し、診断しておりましたが、今は3Dデジタルスキャナーでスキャンし、パソコン上で診断することが可能となっております。

デジタル上で診断し、歯を動かす手順もデジタルで決定出来ます。無駄な動きを省ける分、マウスピース矯正の方が早く治療を終えれると思います。

 

装置代原価

明らかに、マウスピース矯正の方が高いです。高い分、術者の手間は少ないです。

そのため、ワイヤー矯正より、マウスピース矯正の金額のほうが高い医院のほうが多いかと思います。

当院は、術者の手間が掛からない分、逆に安くしております。

 

 

エッチング

エッチングとは、歯の表面に矯正器具を接着する為に行う処理です。

歯の表面を目に見えないレベルでデコボコにする処置です。エッチングエリアは少ない方がいいです。

 

ワイヤーの場合は、すべての歯に装置をつける必要がありますが、マウスピース矯正は必要な歯のみに表面処理をするので歯へのストレスは少ないです。

 

チェアタイム

チェアタイムとは、歯科医院でイスに座って処置を受ける時間です。

ワイヤーは毎月処置が必要ですが、マウスピース矯正は、ご自身でマウスピースを交換するため、歯科医院でのチェアタイムはとても短いです。

 

不得意な動き

ここは、とても重要なところとなります。

ワイヤー矯正は、奥歯を奥に移動させる動き(遠心移動)が苦手です。逆にマウスピースは得意な動きになります。

マウスピースは奥歯を前に移動させる動き(近心移動)と、根の向きを大きく変える動きが苦手です。逆にワイヤーは得意な動きになります。

あと、マウスピースは、丸い歯を回転させるのが苦手ですが、ワイヤーは得意です。

 

 

歯根吸収

聞き慣れない言葉ですが、矯正治療のリスクの一つとして、有名なのがこの歯根吸収です。

歯根吸収といって、歯の根が若干短くなるという報告があるのですが。ワイヤー治療に比べて、マウスピース矯正の方が発現率が低いことが論文で証明されております。

 

歯への力の伝わり方

ワイヤーの場合、歯の表の1面から力を加えることが出来ます。

特殊な装置を併用すれば、歯の裏側からもアプローチは可能です。

しかし、マウスピースは歯をとり囲むように歯に力を加えますので、ワイヤーよりも簡便にいろいろな角度から歯に力を加えることが出来ます。

 

個々の歯の移動

ワイヤー矯正の場合は基本的にすべての歯を連結して、歯ならびを整えていくのですが、マウスピースは動かしたい歯を個々に設定出来る為、結果治療期間が短くなる場合もあります。

 

コンプライアンス

コンプライアンスは「法令遵守という意味です。

つまり、歯科医院側から求められた約束を守れるか。守れなかったらどうなるか。ということです。

ワイヤー矯正の場合、月に一度ワイヤーの調整に来てい頂ければ、日々患者様が気をつけることは少ないのですが、

マウスピース矯正の場合は1日20時間以上の使用が必須な為、ルールを守って頂けないと、上手く動かないことがあります。

これらを、コンプライアンスの悪い患者様はマウスピース矯正は難しい。と表現します。

 

咬合の安定

治療途中、噛み合う力も利用して矯正治療を行うこともあります。

動かしたくない歯が、しっかり噛み合っていれば、その噛む力によって、歯を動かさないように設計することが可能です。

これらは、噛む面が覆われてない、ワイヤー矯正でメリットを発揮します。

では、噛む面が覆われておる、マウスピースは良くないのか、と言われれば、そうでもありません。

もともと制限された顎の位置でしか噛めない方が、マウスピース矯正で噛み合わせを不安定にさせることで、正しい顎の位置へ誘導することも出来ます。

これは、少し専門的な内容で、患者様には分かりずらいかも知れませんが、矯正医はこれらのことも考慮して治療計画を立ててます。

 

起こりやすいトラブル

トラブルはなるべく起きてほしくないのですが、ワイヤー矯正、マウスピース矯正それぞれの特有のトラブルがあります。

ワイヤーでのトラブル・・・虫歯になりやすい。口内炎ができやすい

マウスピースでのトラブル・・・歯肉退縮、歯髄充血、臼歯の近心傾斜

 

これらは、それぞれの方法に特化したトラブルです。トラブルの内容をみるとマウスピース矯正の方が深刻です。

発現率はかなり低いのですが、一定数いらっしゃいます。

これらについては、またブログでまとめたいと思います。

 

治療結果

ワイヤー矯正は、処置をする歯科医師の技術に大きく左右されます。どんなに治療が上手な先生も、治療出来る人数に限りがあります。

しかし、マウスピース矯正は、きちんと治療計画をたててマウスピースを作製し、患者さまが使用時j間を守って使用して下されば、歯科医師個人の治療技術による治療結果の差は小さくすることが出来ます。

つまり、きちんとした計画を立ててくれる歯科医院だと治療結果に大きく差はつかないことになります。

ただ、ワイヤーもマウスピースもきちんとした治療計画を立てれる歯科医院かどうかの見極めが極めて難しいかと思います。

 

ひとつの目安は、歯科医師や、歯科関係者が通う歯科医院か、だと思います。

当院では、スタッフほぼ全員当院で矯正を行っておりますし、医師、歯科医師の患者様も多く通って頂いております。

どうぞご安心ください。

 

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