妊娠中・授乳中・赤ちゃんの為に出来ること☆マタニティ歯科②

こんにちは、千代田区・神保町タワー歯科の越智です。

 

先日は妊娠中・授乳中の歯の痛みがある場合の注意点についてお伝えしました。

本日は、痛みがない方や、虫歯になったことがないかたも知っておくと得をする、マタニティ歯科知識をお伝えします。

 

①お腹の中にいるうちに乳歯はつくられています

実は、妊娠7週をすぎるくらいから赤ちゃんの歯をつくる準備ははじまっています。

歯の形成に必要な栄養素(たんぱく質・カルシウム・ビタミンA・C・D・鉄分)をしっかり摂取しましょう!

具体的には、牛乳・にぼし・チーズ・豆・卵・ホウレンソウ・貝類・レバー・レモン・ピーマン・イチゴなどです。

また、この歯が形成される時期は飲む薬の影響を受けることもあります。授乳中も同じで、授乳中も乳歯、永久歯の形成時期になります。

薬を飲む際には十分気をつけましょう。

②妊娠時の口腔状態の変化について

妊娠中、女性ホルモンの変化、唾液成分の変化、嗜好品の変化、生活リズムの変化等々により、妊娠前にくらべてお口の中の状況が悪くなりやすいと言われております。

妊娠性歯肉炎といって、普段多少の磨き残しでは起らないような歯ぐきの炎症がおこる場合もあります。

症状としては痛くはないけど、歯磨き時や、食事中に歯ぐきから出血が見られたりします。

対策としては、歯ブラシをしっかり行うことと、歯石除去を行うことです。

③歯周病と低体重児早産との関係

歯周病と全身疾患の関係は大きく、心疾患・ご嚥性肺炎、糖尿病・骨粗鬆症に加え、低体重児の出産や、早産のリスクを高めると言われております。

歯周ポケット内で、慢性的な炎症が続く結果、歯周病細菌が血管に入り全身に転移していくといわれております。

歯周病は世界で最も罹患率の高い感染症といわれております。(歯周病がギネス認定!!?生活習慣病、歯周病への対策とは!?)

痛みがないまま進行する病気ですが、これは予防することが可能な病気です。

低体重児の出産や、早産のリスクを極力減らせるよう、妊娠が分かったら、一度歯科検診を受けましょう。

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④産後、子供の健口を守る為に

赤ちゃんのお口の中は産まれてきたときには無菌状態で産まれてきます。

その後、後天的にいろいろな菌がお口の中に住み着くのですが。菌のなかには善い菌と悪い菌がいます。

悪い菌とは、虫歯菌や、歯周病菌です。

 

これらは、歯の周りに住み着く習性が強く、最も子供がこれらに感染しやすい時期が乳臼歯が生えはじめて、生えそろうまでの1歳6カ月~3歳までと言われております。

この時期を『感染の窓』ともいいます。

 

この時期を過ぎると、お口の中のそれぞれの菌が生息する割合がおおむね決定するため、感染しにくくなります。

 

たとえるなら、

Aくん:良い菌が80%、虫歯菌は15%、歯周病菌5%

Bくん:良い菌が80%、虫歯菌は5%、歯周病菌15%

Cちゃん:良い菌が90%、虫歯菌は5%、歯周病菌5%

 

このバランスが一度決定すると、『感染の窓』の時期、つまり3歳を越えたあとに、大量の虫歯菌に罹患しても、決められた割合以上には増えないため、ほとんどの虫歯菌はお口の中に定着できない、ということになります。

 

この3人に全く同じ環境で、同じ時間におやつをたべ、同じように歯ブラシをした場合

Aくんは虫歯が多いが、大人になっても歯周病にはなりにくい

Bくんは、虫歯になったことがないけど、大人になったら歯周病があると言われてしまった

Cちゃんは虫歯になることもなく、歯周病リスクもとても少ない

 

という優位差がでる可能性があります。

ところが、これは、虫歯菌と歯周病菌による影響に限定したお話ですので、歯並びや、噛み合わせの良しあしや、くいしばりの有無で歯の寿命は変わってきます。

 

この『感染の窓』の感染ルートとして最も考えられるのは、家族からの感染です。

箸やスプーンの使いまわしや、キス等によって感染することがほとんどです。

よく、虫歯が移った、と表現される方もいますが、厳密にいうと、この3歳までの間に虫歯菌を移されていることが多いです。

 

かといって、子供に対する愛情表現を禁止することも難しいかと思います。

両親共に、お子様の為を思って、それぞれ健口な状態であることが望ましいです。

 

赤ちゃんができたら、タバコはやめて! と同じように、赤ちゃんが出来たら歯医者に行こう!という意識が広まればいいのですが。

 

⑤赤ちゃんにカルシウムを奪われて、産後歯がボロボロに?

という迷信を信じているかたもいるかもしれませんが。。。

『②口腔内の状態の変化について』によって、環境は確かにかわりますが。既に歯として完成している母親の歯からカルシウムが抜けることはありません。

ただ、環境の変化によって、虫歯になることはあります。

 

結論

妊娠する前から歯を健康に保ち、妊娠中は普段よりしっかり歯ブラシをしましょう。

つわりがひどい場合は、小さめの歯ブラシを使ったら、いつも以上にうがいをするようにしましょう。

また、子供が産まれたあ後、3歳を過ぎるまでは、家族様皆のお口の清掃レベルをアップするように努めましょう。

 

 

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